発注者による分割発注




コンストラクション・マネジメントによる建設工事の発注



バードレポート2001年12月3日 第378号

日本でビルの建設発注はゼネコンへの一括発注が普通です。それも入札でなく特命も多いようです。見積書も「○○工事一式いくら」と不透明です。

これは外資系企業にとっては信じられないことのようです。特に不動産証券化事案では投資家に対して説明義務がありますが、日本慣行の建設発注では説明義務が果たせないといいます。

コンストラクションマネジメント


そんな背景でコンストラクションマネジメントが社会的認知を受けつつあります。単純に言えば発注者による分割発注です。

これまでの慣例はゼネコンへの一括発注です。ゼネコンが全てを取り仕切って実際には何社もの専門業者に下請発注し、最後は全責任を負い、多少の誤差があってもゼネコンが背負ってくれます。その代わりに金額は予備費管理費が膨らんで多少高めのどんぶり勘定でした。

一方でコンストラクションマネジメントという発注方法では、発注者側が何社もの専門業者にそれぞれに個別に発注します。鉄骨工事・外装・電気設備・空調等々とそれぞれの工事ごとに分離分割して発注します。そしてその工事ごとに競争入札を行うことが多いようです。

これまでの予備費管理費の膨らんだ部分の金額が排除され安くなって当然です。しかしゼネコンが全責任を負っていた多くのリスクを発注者自身が負うことになるのです。

もちろん一般発注者にそのようなことはできません。そこでコンストラクションマネージャーと呼ばれるプロが発注者側につき、発注者に代わり業務を進め、スケジュール管理まで行います。このマネージャー報酬を払ってでも工事費が1割2割安くなるケースが多いようです。

建物が注目されるから


バブル時は土地価格が大きかったので建築費は大きな注目を浴びませんでした。今は違います。不景気を背景に安さを求めることもありますが、土地価格下落で事業全体に占める建物価格が相対的に高まり、建築費の削減が事業を左右します。

特に改修市場は当初施行業者への特命発注が当然で無競争価格高止まりのようです。しかし収益還元評価が当然になり改修工事のコスト削減が物件価格上昇に直接結びつくようになり、過去のしがらみは断ち切らざるをえなくなっています。

面倒なことは多くても


ゼネコンへの一括発注なら設計事務所のラフな図面で済みましたし、場合によればそれすら不要です。しかし各工事を分割発注するためには詳細な施工用図面までも必要なときがあります。またゼネコンへの一括発注ならそのゼネコンへの支払いだけですので面倒はありません。しかし何社もに分割発注すれば支払いや伝票等の管理だけでも大変です。下請業者が倒産してもゼネコンの責任で処理していましたが、分割発注先が工事中に倒産すれば発注者が慌てることになります。

もっとも分割発注のために発注側で詳細な検討を繰り返すことになるのでいいものができるとか、実際の施行業者は下請けではなく発注者から直接請負になるので工夫や提案を発注者に提示しやすくなりいいものがつくれるとの声もあります。

建設市場が縮小しつつあるなかで着実にこの仕組みが根付きつつあります。日本はアメリカの10年20年前の状況といわれます。国際化の流れの中で日本はアメリカ化せざるをえません。

ネットで入札発注


入札は分割発注であったとしても、談合防止に発注者側は苦労するようです。しかしネットを使った分離発注の競争入札制度が始まっています。



http://www.cmnetcorp.com/

ネットともなれば談合の余地すらもなくなり、新規業者や遠隔地からの応札もあるようです。

証券化事案やマンション管理組合等のように多数への説明義務を持つ発注者には発注の透明性が増す入札方式は喜ばれます。


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