土地建物売却損は損益通算不可


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2004年税制改正…土地建物売却損と他の所得は損益通算不可



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土地建物売却損は損益通算不可


2004年2月9日 第484号

土地建物の売却損について損益通算繰越控除不可となります。その全容が明らかになりました。

いつからの譲渡分が適用か


「個人が平成16年1月1日以後に行う譲渡について適用」です。法案の国会通過が3月末で法施行日は4月1日ですが、1月1日に遡って適用です。

どのように改正されるのか


専門的になりますが、重要点ですので考え方の説明をします。

「長期譲渡所得の金額」を「短期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、当該計算した金額を限度として、当該損失の金額を控除した後の金額」とします。その上で「長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、当該損失の金額は生じなかったものとみなす。」とします。

短期譲渡についても同様です。

これまでは長期譲渡と短期譲渡について、黒字であっても赤字でも、それぞれの所得の金額を算出しました。その上で譲渡損益間の通算(相殺)をしました。

改正は長期と短期それぞれの所得計算時において互いの赤字を差引きます。ここで土地建物売却損益間の通算を行います。

その上で更に残った赤字(損失の金額)はなかったものとする、つまり赤字にはさせない、という税法の構成になりました。


所得を計算する段階で他の土地建物の売却損益については通算し、それでも赤字だったなら所得そのものがなかったものとする、そして赤字がないのだから翌年への繰越控除の対象となる赤字も存在しなくなります。

過去の譲渡分はどうなるか


この改正の結果として、

(1)平成15年中の土地建物の売却損は@平成15年分の所得税では損益通算可A平成15年分で残った赤字は青色申告なら平成16年以降3年間の繰越控除可。

(2)平成16年1月1日以降の土地建物の売却損は、@他の土地建物の売却益とは通算できるものの、他の所得との損益通算は不可A売却損については平成17年以降への繰越控除も不可。


昨年暮れの実行分はOK


昨年大晦日までの売却分に限って救われました。12月17日夕刻の税制改正大綱の決定以降、大晦日までの間にあわてて同族間取引その他で、値下がり不動産の、売買契約だけを済ませたケースはかなりの数です。

登記や引渡しは今年にずれ込んでも、契約を確実に済ませていれば、それを平成15年分の所得として申告すれば、その分については救われます。

今年になってから動いた方はまったく救われません。

課税サイドは法律の施行日前の売買についてさかのぼって適用するということについては確信犯のようです。それは例外を設けていることで分かります。

平成16年1月1日以降に土地建物を売却したものの3月31日までに亡くなった人、そして平成16年1月1日以降に土地建物を売却し出国し3月31日までに申告する人の確定申告に関しては、改正前の旧法を適用します。

さすがにそんな場合まで遡及適用は無理ということでしょう。

死にもせず出国もせずに4月1日を無事に迎えた人については1月1日譲渡分から適用です。

今後の損益通算の注意


土地建物の売却損が他の所得と通算できないばかりでなく、逆も同様になります。

個人事業の事業所得が赤字で、値上がり土地建物を売却するときも損益通算ができません。

個人事業が失敗し赤字1億円、銀行の借金1億円。先祖代々の土地1億円を売却し借金1億円を返済します。土地売却による譲渡所得を1億円としましよう。

これまでは事業所得赤字1億円と譲渡所得黒字1億円を通算して課税所得はゼロで済みます。

これからはこういうケースでの損益通算ができません。

事業所得が大赤字でも、譲渡所得から引けないので譲渡所得に対しては課税となり、長期譲渡なら税率20%で課税です。銀行に1億円そっくり返済すると、税金が払えなくなります。




個人所有の値下がり投資用不動産は年内に売買を! 2003年12月18日 第477号






 

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