値上がり見込みの不動産や株式…法人所有から個人所有へ


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値上がり見込みの不動産や株式…法人所有から個人所有へ


2006年2月13日 第580号

商業地ばかりでなく一部の住宅地でも中古マンション価格や土地価格が上昇を続けています。

「住宅価格は値上がりする」と考える方へのアドバイスです。

「個人所有」と「法人所有」


中小企業経営者のマイホーム取得時の選択肢には「個人所有」か「法人所有」か、があります。

●所有継続時


「個人所有」の税務メリットは住宅ローン控除です。ローン残額の1%とか0.5%を10年ほど税額控除してくれます。メリット合計額は数百万円でしょう。

「法人所有」ならマイホームは会社所有の役員社宅となり、社宅家賃をできるだけ安めに設定します。個人には「安く借りる利益」の非課税メリットです。

更に会社側はマイホームの減価償却費や固定資産税その他支出を経費に計上できるのでその分の法人税が減少します。

●値下がり売却時


「個人所有」での値下がり売却による売却損は、特例もあるのですが、原則では他の所得と通算できずに切り捨てです。

「法人所有」での売却損なら、他の利益との通算が可能です。

役員報酬・物件価格・会社利益の各水準次第ですので一概には言えませんが、資産価格が下落を前提に置けば「法人所有」のメリットが大です。

しかし「値上がり」を前提に考えると事情は変わってきます。

●値上がり売却時


「個人所有」でのマイホーム値上り売却益は3000万円までは非課税となります。

「法人所有」ならこのような非課税枠は全くありません。黒字法人として法人税等の税率が40%なら売却益が3000万円で1200万円もの税負担になります。


従来のマイホームは値下がりが前提でしたから、値上がり売却時のメリットやデメリットを比較してこなかったはずです。

しかし大都市周辺の住宅地では前提が変わりつつあります。

将来売却に備えて今のうち


もし現在の「役員社宅」について今後値上がりするという前提にたち、将来に売却の可能性があるのなら、今のうちに今の時価で個人が会社から買い取ることを検討しましょう。

そうすれば買い取り以降の将来売却までの値上がり益3000万円までが非課税になります。


もちろん法人税課税の有無や登録免許税・不動産取得税を考慮しなくてはいけませんが。

マイホームばかりでなく、一般の不動産についても、個人が長期(5年超)所有となれば現在の譲渡税率は20%で、法人での税率よりも低く済みます。

もし将来売却予定があるのならこの場合も検討対象です。

上場株式や売却見込み株式


上場株式の値上りが続いています。株式売却益課税も法人個人では大きな違いがあります。

他に株式売却損益がないとすれば、値下がり売却損は個人なら切捨てですが、法人なら他の事業の利益と通算できます。

値下がり確実の上場株式は即売却が一番いいのは当然です。しかし保有継続の事情があったなら、個人所有よりも法人所有の方が有利なのです。

ところが値上がり売却益への課税となると事情が変わります。

個人が上場株を証券会社を通し2007年まで売却なら税率わずか10%。その他非上場株でも税率は20%で済みます。それが黒字法人が所有していての売却益となれば約40%となります。

現在法人が所有中で、今後の値上がりが期待できる売却予定上場株式は、今のうちに今の時価で法人から個人に売却しておけば税務では有利です。

新規上場やM&Aも急増しています。将来上場や売却が期待できる株式についても同様です。

実務上でのポイント


ポイントは「現在の時価」で法人から買い取ることです。時価と違えばその差額に対し課税が生じます。また土地の時価は路線価ではなく実勢時価です。

実務の注意点は、根拠と説得力のある「現在の時価」を算定しその金額で売買することです。






 

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