物納手続き厳格化…生前での物納条件整備が相続税対策


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物納と相続調査

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物納手続き厳格化…生前での物納条件整備が相続税対策


2006年3月6日 第583号

物納が変わります。従来はテキトーだった相続税の物納手続きが法律で厳格に定められます。

物納手続きは相続税法42条です。この条文は1項から5項までの簡単な定めでした。それが30項までの詳細な定めに改正されます。通達等でなく法律で詳細に定めたのは「厳格に取り扱う」という国の意思表示でしょう。

物納申請から物納完了まで何年もかかるのが当たり前でした。

従来は物納申請書1枚だけを出していれば他の必要書類が大幅に遅れても何とかなりました。国側の処理は緩慢でしたが、何年かかろうとも国側からの一方的却下は珍しかったはずです。

2006年4月1日以降の相続分からは次のように厳格になります。

物納申請者がやるべきこと


測量図・境界確認書等の必要書類は物納申請時つまり相続税申告期限に提出を要します。また書類の不備を指摘されたら20日以内に訂正しないと物納申請を取り下げたことにされます。

もっとも測量等は時間を要するのが当然ですから、いずれも、申請で3ケ月の延長ができます。この3ケ月は繰り返せますが、延長期間は最長で1年です。


物納許可をするに先立ち税務署は1年以内の期限を定め廃材の撤去等を命じます。この期限も申請により延長できますが、最長1年です。期限内に撤去等できなければ物納却下です。

汚染地等については物納許可に際し除去等の条件を付すことができるようになります。ただし5年内にその条件を満たさなければ物納は取り消されます。

物納財産について物納不適格等により物納却下を受けた場合には1回に限って物納の再申請が認められます。

従来は物納なら金利相当の利子税は不要でした。しかし物納完了までの期間(審査期間を除く)に利子税が課されます。

税務署側がやるべきこと


このように納税者に対し期限を厳しくする一方で、税務署側に対しても厳しくしました。

税務署は物納申請後3ケ月以内に許可か却下を求められます。ただし物件が多数等で調査等が必要なら6ケ月以内、積雪等の特別の事情なら9ケ月以内です。この期間に前述の申請者による期限延長期間を別枠で加えます。

そして許可も却下もなくこの期間が経過すると、物納を許可したものとみなされます。

つまり物納手続きの原則は3ケ月間になり、様々な延長を繰り返しても2-3年で白黒ケリがついてしまいます。


申請者も税務署も緊張して物納に当たらざるをえません。

なお市街化調整区域内土地や無道路地等について、他に適当な物納財産がない場合に限っては物納を認めると明確化されることになっています。

条件整備が相続税納税対策


物納手続きで厳しく期限が求められるようになりました。

物納では生前での条件整備が重要になります。物納申請後にのんびりと測量を開始し隣地との境界確認に時間がかかれば、期限経過で物納不可になります。

逆に、生前に物納条件が整備された土地は、相続税において銀行預金と同じともいえます。国が相続税評価額で確実に収納してくれますから。物納なら譲渡税も不要です。


更地なら物納よりも売却が有利なことも多いのですが、貸宅地では物納が有利なことも多いでしょう。生前に測量、境界確定、地積更正、地代見直し、借地契約書整備等を済ませれば、相続税での貸宅地は銀行預金同様の安心な資産となります。

さて土地の物納要件を整備する作業は、境界を明確にする等の作業です。それは売却を容易にする作業と同じです。作業を済ませ、相続後に物納か売却か有利なほうを選べばいいのです。

それに相続前に生前の所有者本人が境界確認に立ち会ったほうがお隣の印鑑をいただきやすいのが普通で、スムーズです。

地主さんの相続税納税対策において、生前における物納条件整備は欠かせなくなりました。

物納の実務…お隣さんの協力と測量士さんの力量次第 2001年8月20日 第364号







 

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