相続税延納の制度改正…延納から物納への切替制度の新設も


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物納と相続調査

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相続税延納の制度改正…延納から物納への切替制度の新設も


2006年3月13日 第584号

相続税の納税は現金による一括納税が原則ですが、延納と物納が特例としてあります。

この延納は相続税の年払いです。金利(利子税)がつきますが、最長20年の年払いが可能です。

相続財産の75%以上が不動産等であり、その不動産等の部分についての相続税なら、最長20年で、利子税年利2.0%(公定歩合が0.1%の場合)での延納が可能です。財産の50%以上75%未満でならば最長15年となります。


延納の条件


無条件で認められるのではありません。(1)相続税額が10万円超。(2)金銭一括納付困難で、その納付困難額までであること。 (3)申告期限までに延納申請書を提出すること。(4)延納税額に相当する担保を提供すること(少額で短期なら担保不要)。

物納とは国が物納財産を買い取るのと同じですから、国側が神経質になるのは当然です。

しかし延納は単に分割払いにするだけなので、比較的おおらかです。金銭納付困難説明の作文ができ、期限内に申請書を出し、担保があれば原則OKです。

延納手続きの期限の明確化


2006年度税制改正での物納改正に伴い、4月1日相続分から延納制度も改正です。05年12月自民党税制改正大綱にはなかったのですが、いきなり税制改正法案に法改正が織り込まれました。

従来の延納手続きには手続きの期限等の定めがなかったのですが、これが明確化されます。延納の申請後に税務署側は3ケ月以内に許可するか却下するかをしなくてはなりません。

納税者が、税務署側から書類不備訂正を求められたり、担保の変更を求められたなら、それから20日以内に訂正等しなくてはいけません。担保提供等で時間を要するものもありますから、期限を最長3ケ月延長することができ、この延長は繰り返せますがそれも6ケ月までです。これを経過すれば延納はダメです。

延納から物納への切替


新制度としては、延納から物納への切替が認められます。従来は認められていませんでした。

さて、延納後に返済資力減少等により延納条件が緩和されることもあります。(銀行融資の返済条件緩和と同じです。)

そうしても金銭納付できない場合について、納付困難額について延納から物納に変更できます。ただし相続税申告期限から10年以内でなくてはいけません。

このときの物納収納額は、その物納への切替時の価額(評価額)です。値上がりや値下がりしていれば、値上がり値下がり後の価額で収納されるのです。


(不動産値上がり期待から、とりあえず延納をして値上がり後に物納切替を狙うというのは余りにもリスキーですよ。)

相続税延納資金の資金繰り


相続税1億円を期間20年間で延納します。利子税2%です。

元金返済は毎年500万円。利子税は残額対し2%なので当初は年額200万円。合計700万円です。

土地の売却をせず賃貸建物建築をして家賃収入700万円となれば払えそうな気がしたとします。しかし無理でしよう。延納700万円は、所得税住民税の税引き後で払うのですから。

すでに相応の所得がある前提で所得税住民税の累進での税率を40%程としましょう。1200万円の利益を上げたとして、そこから所得税住民税500万円の納税し、残り700万円で延納が続けられるのです。家賃収入利益が700万円だけでは足りません。

また延納は「元金均等返済の年1回返済」です。銀行のアパートローンは「元利金等返済の月1回返済」が多いでしょう。

月1回返済なら家賃収入で返済しやすいのですが、年1回返済なので受取り家賃を1年間積立て、まとめて返済です。

これは一見簡単なようで、なかなか難しいことです。積立て分を使い込んでしまい、毎年延納の納期になって資金繰りで苦労するケースが目立ちます。


多額の相続税を延納するには事前にしっかりした資金計画が必須です。





 

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