REITと証券取引等監視委員会の勧告
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REITが買いづらい物件…証券取引等監視委員会の勧告
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REITが買いづらい物件…証券取引等監視委員会の勧告
2006年7月24日 第602号
証券取引等監視委員会はREIT(不動産投資信託)につき法令違反で処分の勧告をしました。
日本リテールファンド投資法人(運営母体は三菱商事系)へは2006.4.18に勧告です。以下は監視委員会の文書からです。
「計算書類の承認や投資口の追加発行等の意思決定に際し役員会を開催した後、当該役員会の議事録を作成することとしているが、……実際に役員会が開催された日の翌日以降に開催が行われたものとして議事録を作成、保存していた。」
日付を偽ったことで、不実記載文書を証券取引所に提出したことになり、また直ちに事実公表(適時開示)すべき事項についてその事実が偽りになりました。
これら議事録は、同族企業のほとんどではテキトウなものです。しかし他人の金を預かることで金融庁の監督下においては、それだけで処分の対象です。
2006.6.16.にオリックス不動産投資法人とその運営会社への勧告です。こちらは不動産の本質的な問題です。以下につき不動産の取得時等に適切な審査をしなかったことが問題とされました。監視委員会の文章です。
○ 違法建築物件の取得
倉庫として建築確認を受けた部分を事務所に改造し、未使用部分を含め増床の上、用途外で使用していたため容積率を超過している物件について、十分な審査を行わないまま投資法人の資産として取得していた。
○ 賃貸面積を確認しないままの取得
テナント付の物件について実際の貸付面積を計測しないまま投資法人の資産として取得し、そのまま貸付を行ったところ、テナントからの指摘により、契約面積が実際より約55u広いことが判明した。
○ 不十分な鑑定評価に基づく取得
不動産の取得に当たり、外部の評価機関から鑑定評価を取得することとしているが、その評価額の客観性を高めるために、評価機関とは別の調査会社にエンジニアリングレポート(不動産の建物や設備の状況に関する事前レポート)の作成を依頼し、このレポートを評価機関に提出している。その際、自ら作成を依頼したエンジニアリングレポートを入手しているにもかかわらず、物件の売主から入手した古いエンジニアリングレポートや暫定版として作成されたエンジニアリングレポートを提出したまま鑑定評価額の算出を依頼し、その鑑定評価額を基にした価格によって投資法人の資産として取得していた。
○ PCB付き物件の取得
敷地内の蓄電設備(コンデンサ)に有害物質であるポリ塩化ビフェニル(PCB)が含まれていたが、PCB特措法によれば前所有者に届出義務や処分責任があると考えられるところ、投資法人の資産として取得する際に、同法の規定を理解しないまま投資法人が管理するものとして届出をし、処理費用の見積もりまで行っていた。
監視委員会がこれら具体例を公表したということは、他のREITへの注意喚起でしょう。
(1)建築確認以降に改造されたか、容積率超過か、を確認しなくてはいけない。
(2)賃貸面積は事前実測しろ。
(3)任意のレポートを使う等で、鑑定評価に影響させるな。
(4)PCBの責任を勝手に引き継いではいけない。
一般の不動産取引では「まあ、この程度なら」とされることも多いでしょう。しかし金融庁の監督下では許されません。不正改造物件や容積率超過物件、PCB使用物件については、REITや、REITへの将来の売却を想定するファンドは、買いづらくなった、といえます。
そうなればそのような物件は買い手が減るのですから価格面で不利となります。
「家賃を余分に払わされた」とテナントが金融庁に駆け込めば処分かもしれません…。賃貸中の賃貸面積の実測なんて一体どうやればいいのでしょうかね。
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