社長の自宅は、会社で買うか個人で買うか。どっちが有利?


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社長の自宅は、会社で買うか個人で買うか。どっちが有利?


2006年9月11日 第608号

社長が自宅を買うなら、社長個人で買うか会社で買うか選べます。税はどちらが有利か?

5000万円の戸建住宅・頭金1000万円・借入金4000万円(20年金利4%元利返済年額290万円内金利年額160万円)とします。

社長個人の所得税等税率は40%。会社の法人税等税率も40%として計算してみました。

個人で買ったなら…


借入金返済を続けるためには年290万円が必要です。所得税等税引き後での290万円です。

そのために収入(役員給与)を480万円増やします。480万円に対する所得税等190万円を払うと290万円が残ります。

自宅購入なら住宅ローン控除で、毎年最大30万円の所得税が戻ります。すると自宅所有による所得税等の負担額は160万円(=190万−30万)です。

会社側を見ます。社長にとって個人の所得税も会社の法人税も同じで、合計で考えますから。

会社が社長に新たに払う480万円は経費になります。法人税等税率40%なので40%の190万円分の法人税等が減ります。

社長自宅の取得により個人と会社合わせ年額30万円の税負担減(所得税等160万+法人税等▲190万)となります。

会社で買ったなら…


会社が住宅を買い社長に役員社宅として貸します。社宅家賃は国税庁の通達が定めています。

通達による家賃月額は5万円、年間60万円としましよう。

社長がこの60万円を税引後で負担できるよう役員給与を100万円増やします。この100万円に対する所得税等は40万円で、残りが60万円。これで社宅家賃60万円として会社に払います。個人での住宅取得でないので住宅ローン控除はありません。

会社側は支払金利160万円、建物減価償却費(100万円とする)、社長給与増額100万円も経費です。一方で社長が会社に払う家賃60万円は収益に計上です。

差引合計300万円の経費とされ(160+100+100−60)、法人税等税率40%で法人税等は120万円減少します。

住宅を保有したことにより、個人と会社合わせ年額80万円の税負担減(所得税等40万+法人税等▲120万)になります。

個人と会社どっちが有利?


実際の支出額そのものは個人でも会社でも同じ。しかし税負担では確実に差が生じます。

個人で住宅取得なら毎年30万円の税負担減、法人取得なら毎年80万円の税負担減です。

つまり法人でなら年50万円お得。数年で数百万円になります。

社長の所得税率が高かったり、物件価格が大きいと、法人が更に有利になります。それに個人に有利な住宅ローン控除は最長で10年間しか使えません。

また固定資産税や管理維持費は法人の負担にできますから、実際は法人所有がもっと有利な結果になります。

逆に通達から算出される社宅家賃が高額だと個人が有利になります。特に広い社宅や豪華な社宅は家賃計算方法が違い高額になります。社宅家賃が月額15万円程だとほぼ同じになります。


売却するとどうなる


住み続けるには会社取得が有利です。ただし値上がり後の売却を考えると逆になります。

数年後に売却益3000万円で売却します。個人取得ならば居住用財産売却として3000万円控除があるので譲渡税ゼロ。

しかし法人税にこんな特別控除はありません。会社なら売却益3000万円に対してそっくり課税。税率40%で1200万円です。

法人で取得したことで毎年少しずつ税金で得したとしても、売却に際して何倍も損します。


値上がりしない・売却しないとの前提なら会社取得が有利でしょう。社長の既存マイホームを会社に売却し役員社宅としてリースバックする策もあります。

社長が自社への売却なら特別控除不可ですので要注意ですが。

値上がり売却を前提とするなら個人で取得が有利でしょう。

(給与所得控除関連の扱いや消費税等は無視しています。)

値上がり見込みの不動産や株式…法人所有から個人所有へ 2006年2月13日 第580号







 

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