値上がり元自宅と値下がり現自宅課税

年内売却を検討すべき、値上がり元自宅と値下がり現自宅



年内売却を検討すべき、値上がり元自宅と値下がり現自宅


2006年10月9日 第612号

3年前引越の値上がり元自宅


5年超所有の不動産を売却し譲渡益3000万円なら税率20%で譲渡税600万円です。

その不動産がマイホームならば3000万円特別控除で税金ゼロになります。更に10年超所有ならば3000万円控除後残った所得の6000万円までの部分については税率が15%で済みます。

譲渡益が9000万円の10年超所有マイホームなら税額900万円、一般なら1800万円です。その差は大きいものです。

さてこのマイホームについて税法は「居住用財産」として明確に定義しています。

「居住用財産」とは、(1)居住の用に供している家屋、(2)居住の用に供していた家屋(居住の用に供さなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡されるものに限る)(3)これら家屋の敷地とされている土地等、です。

これから年末に向けて注意すべきは(2)です。引越後3年目の年末までの売却なら、居住用財産なのです。現在は賃貸中でも空き家でもいいのです。

2003年の1月まで居住していた家屋については、2006年12月31日までは税務上においては「居住用財産」です。空き家でも、また賃貸中であっても、それは居住用財産として様々な特例の適用が可能です。

2003年に転勤等で転居し、その後は賃貸中のマンションや戸建住宅で、値上がりしているもの、先祖代々のもの(つまり原価がほとんどゼロのもの)の所有者は考えないといけません。

2006年中の売却であれば居住用の特例が使えます。2007年以降は使えなくなります。


またここ2-3年、東京都心部では新築マンションが急増し、郊外の持ち家を残したまま都心のマンションに移り住んできている高齢者が増えています。

都心に移り住んだのが2003年であれば、郊外の持ち家については2006年末までの売却であれば、居住用特例は使えますが、2007年以降は使えなくなります。

12月に売買契約をして2006年所得として申告するのなら2006年の売却として扱われます。引渡は2007年になってもOKです。

3年後定年の値下がり現自宅


不動産の譲渡損は原則として他所得との損益通算や繰越控除は認められません。

しかしマイホーム譲渡損なら、一定の買換えを条件に損益通算と繰越控除が認められています。

1994年から首都圏ではマンション大量供給が始まりました。

さて団塊の世代の定年が始まります。1990年代にマンションを買ったなら大きく値下がりしているはずです。値下がりマイホームにそのまま住むのもいいですが、定年まであと3年ならその値下がりマンションを年内に売却し、近所に新マイホームへの住み替えも検討しましょう。


値下がりマンション売却で譲渡損4000万円としましょう。一定の新マイホームをローンで買えば、譲渡損は売却年(今年)以降4年間の所得と通算できます。

給与所得や退職所得がこの4年間で合計4000万円超となるのなら、ケースにもよりますが1000万円程の税金の還付を受けることができるでしょう。

定年後になって売却し多額の譲渡損が生じても、定年後で所得ゼロなら、還付を受ける税金がそもそもありません。

2年-3年間限りの高所得があるなら、還付を受けるための住み替えだって考えられます。


値下がりマイホームについては、含み損の金額と、住まいや家族の状況、それに今後の所得の推移をも考えて、戦略的に売却購入をする必要もあります。

またこのマイホーム譲渡損の損益通算と繰越控除の法律そのものも2006年末限りの法律です。2007年以降も延長の可能性が高いとは思いますが。

なお特例の要件は5年超所有、床面積50u以上の新マイホームを期間10年超の住宅ローンで購入、等々あります。新マイホームやローンについて金額制限はなく、「あれば」いいのです。

値下がりマイホームの売却は譲渡損をうまく使って税金圧縮。2006年7月17日 第601号





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