不動産M&A…会社売買形式による不動産売買が再注目


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不動産M&A…会社売買形式による不動産売買が再注目


2007年3月12日 第632号

土地を売却します。個人所有の土地ならば譲渡税率は20%。10億円で売却しその全部が利益であっても8億円が残ります。

法人所有だと大変です。法人税等が約40%で6億円が残ります。6億円残ってもそれは会社のお金です。株主個人にお金が必要ならまた所得税等です。役員退職金で受取れば税額は最大25%で済みますが、退職金には制約があります。配当なら制約ないものの最高で税率50%。6億円を配当金で受取ると個人手残りはわずか3億円だけとなり、税金を払うために会社所有の土地を売ったようなものです。

メリット大きい不動産M&A


しかし方法はあります。会社が土地を売るのではなく、株主である個人が会社を売るのです。

会社の財産がその土地だけなら、買い手にとってはどちらを買っても似たようなものです。

土地ではなく会社を売ります。会社を10億円で売るとは会社の全株式を10億円で売却すること。土地譲渡でなく有価証券譲渡となり譲渡税率は20%です。個人の手元に8億円が残ります。

不動産として売却すれば個人手残りは3億円。一方、会社売却なら8億円。3倍近い差です。

これが会社売買形式つまり不動産M&Aで土地を売ることのメリットです。売主にとっては凄まじいメリットなのです。


しかし買い側は困惑します。買ったのは土地ではなく株式つまり有価証券ですし、その会社が手形裏書乱発しているかもしれないと不安もあります。土地として買った方がずっと楽です。

前回の不動産M&Aブーム


かつて不動産M&Aがブームになりましたが、消え去りました。二つの理由があるようです。

不良債権処理の過程で魅力的な土地が次々と売りだされたので、面倒だし心配な不動産M&Aなどは不要となったこと。

そして税制改正で買い側の税務処理が困難になったこと。

最近の不動産価格高騰で土地仕入れが難しくなり不動産M&Aが再び注目を浴び始めました。

また買い側の税務処理の新しい手法も落ち着いてきました。


かつての買い側の処理は合併でした。10億円で買った会社をそのまま合併することで貸借対照表での有価証券勘定10億円を土地勘定10億円に転換させるのは容易でした。投下した10億円について法人税課税を受けない土地原価として回収できたのです(抱合株式償却損の旧通達)。

しかし2001年度の税制改正でこの取扱が不可となりました。原価が回収できなければ不動産M&Aは経済的に成立しません。

不動産M&A買主の処理


新手法が考えられ数年かけ落ち着きました。会社買取後に土地売却と会社清算をするのです。

買主(法人)が10億円で対象会社の全株式を買います。対象会社が土地を10億円で売り、対象会社を清算します。4億円の法人税が生じ6億円が残ります。買主は残余財産となる6億円の配当を受けますが、益金不参入とされ非課税です。ここで6億円は回収し、あと4億円です。

買った全株式は会社清算により無価値化し、買主法人に10億円の株式清算(償却)損が生じます。他事業からの利益10億円をこの清算損にぶつけて、利益と相殺することで他事業利益に対しての本来払うべき4億円分の法人税を払わずに済みます。

6億円の非課税配当と4億円の非課税節税メリットにより、10億円分の原価を無税回収できました(詳細は添付のバードレポート2001年6月11号参照下さい)。

面倒ですが仕組は成立します。

なお役員退職金での節税が可能ならM&Aにするまでもありません。不動産M&Aの対象となるのはずっと大口のものです。

相続で株式が分散し相続争い必至の不動産所有会社。老舗店舗旅館やビル会社。広い鋳物工場。これら魅力的で高額な土地を持つ会社がもっぱら対象です。

不動産M&Aで買うのなら面倒を引き受ける分として、土地取引に比べ値引きは当然ですし、買いのライバルはわずかです。


親の資金でマイホーム取得するには、贈与か借用か共有か(2001年6月11日 第355号)






 

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