公示価格公表と利回り格差国際比較と不動産金融業就業者数


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公示価格公表と利回り格差国際比較と不動産金融業就業者数


2007年4月2日 第635号

収益還元での地価上昇


2007年公示価格が3月22日公表、一部で大幅値上がりです。

日銀の福井俊彦総裁は3月27日に国会で答えています。

「最近の地価の持ち直しの動きについては、経済の先行きに対する見方が好転し、地価を利用した事業が生み出す収益に対する人々の期待の高まってきていることを反映しており、基本的にはそういう範囲内の動きだと考えている。…そうした行き過ぎを懸念する状況にはまだ至っていないとみている。」

大田弘子経済財政担当大臣は3月23日の会見で、地価決定の仕組みがバブル期と決定的に異なり収益還元的なものになったことを強調し、「過熱感のようなものは一部である」としながらも「一部の地域での大きな値上がりがそのままバブルにつながるとは考えていない」、「これで何らか手を打つ必要は考えていない」と語っています。

不動産は収益還元価格なのだから、景気回復賃料アップを見越した値上がりであり、バブルでなく心配不要という認識です。

Aクラスビル利回りは6%から3%台へ下落です。6%が3%へ下げて賃料同じなら価格倍です。

さて収益還元ならバブルは起きないのでしょうか。収益還元価格は収益と利回りで決まります。収益は明確ですが、利回りはアヤフヤなものです。


世界との比較での地価


「都心の優良ビルの運用利回りは国債金利より2%以上も高い。ビルの運用利回りが国債より低いロンドン、ニューヨークの一等地の物件に比べ魅力的な運用成果が期待できるというわけだ。」(日経新聞2007.3.25.)

10年国債利回り1.7%とし、ビルの利回り3.7%とすれば、利回り格差2%になります。

地価上昇の原因を海外との運用利回り格差とする報道がやっとされるようになりました。

確かに、利回り格差下落は家賃上昇の先取りでもあります。しかし、利回り格差下落は日本だけではないのです。

数年前の日本ではこの格差が4%ありました。ニューヨークも4%ぐらいだったようですがほとんどゼロまで急落しました。2%だったロンドンは既にマイナスになっています。

日本だけではなく全世界で下落しています。日本は下落余地が大と見られているだけです。

前バブルの時、東京の地価上昇を見て、東京の不動産プロは、まだ値上がりしていない地方都市へ飛行機で乗りつけ、はじから買い付けました。時には物件も見ずに。そして地価上昇は地方へ波及しました。

ニューヨークの不動産プレーヤーは、まだ値上がりしていない国へと飛行機で乗りつけ、はじから買い付けます。時には物件も見ずに。


不動産金融就業者数と円安


早稲田大学の野口悠紀雄教授によると、イギリスは製造業就業者377万人で金融不動産業610万人。アメリカは1889万人と2457万人。経済構造転換で製造業はマイナーになっているのです。日本は1147万人と271万人で、依然として製造業中心です。

だから日本の円安政策が容認され続けます。以前のように円高を激しく求められません。

輸出産業がマイナーなアメリカにとり円安は問題ではなく、金融不動産業がメジャーのアメリカが日本に求めるのは低金利の資金供給となりました。円安は当然の帰結だと納得します。(週刊ダイヤモンド2007.3.17.)

前バブルは日本列島限定でした。そして1990年3月融資規制で日本列島への資金供給を絞ったところ日本列島限定バブル崩壊になりました。さて今の日本は世界中に資金供給しています。

日本の不動産がバブルか否かは分かりませんが、もしバブルとすれば、日本だけではなく世界中がバブルなのでしょう。

だからもし崩壊するなら、日本だけでなく世界中で崩壊です。


「バブルは崩壊して初めてバブルと分かる」…グリーンスパン元FRB議長

不動産価格の行方…リスクプレミアムの低下(2005年1月3日 第527号)






 

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