42条2項道路での土地所有者による通行妨害は認められるか


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42条2項道路での土地所有者による通行妨害は認められるか


2007年4月9日 第636号

建築基準法上の道路に接していないと建築物は建てられません。では道路とは何でしょうか。

問題となるのが多いものに古くからある私道があります。

建築基準法では道路の幅を原則4m以上と定めます。しかし法(昭和25年制定)適用前から既に建築物が立ち並んでいれば4mに満たなくても市町村等の指定により道路とみなされました。

ただしこの場合には建築に際しては中心線から2mのセットバックが求められます。

建築基準法42条2項が定める道路なので「42条2項道路」とか「2項道路」と呼ばれます。

42条2項道路を「通せんぼ」


さて、他人所有の土地を勝手に通り抜けたり、使ったりすることはできないのが原則です。

しかし私道でも道路となれば違います。42条2項道路は公的な色彩を帯びています。

車の通行問題や境界紛争でお隣ともめると、「この道路はオレの所有だ」として柵を置き「通せんぼ」をしたくなります。

しかし、これら私道を通行することが日常生活上不可欠であれば、この道路の通行をその土地所有者によって妨害されることについて、土地所有者が著しい損害を被らない限りは、土地所有者に対して妨害行為の排除を求める権利(人格権的権利)があるとされています。

(最高裁平成12.1.27.)

「オレの土地だから…通せんぼ」をすると、それまで通行していたお隣から柵撤去を求める裁判を起こされて負けるのです。

ただしそこを道路として使うことにつき、当然のごとく権利主張できるわけではありません。

前記の最高裁判決は、42条2項道路についても妨害行為の排除を求める権利はあるとしつつも、この裁判の事例についてはその請求を認めませんでした。

「本件私道は、専ら徒歩又は二輪車による通行に供されてきた未舗装の道路であり…自動車が通行したことはなく…、居住用としてではなく、単に賃貸駐車場として利用する目的で本件ポールの撤去を求めているにすぎないというのであるから…本件私道を自動車で通行することについて日常生活上不可欠の利益を有しているとはいえない。」

従来からの徒歩等での通行が妨げられるのであれば妨害行為の排除を求める権利(人格権的権利)が認められるのでしょうが、賃貸駐車場経営をするから車を通すことを認めろ、とする権利まではないという結論です。

つまり42条2項道路については当然のごとく何でも通行が認められるのではないのです。

42条2項道路の指定は昭和25年以降、地域ごとに昭和40年代までなされたようです。

一括指定されたところが多く、時の経過によりその私道が42条2項道路かどうか分からなくなっているところも多いようです。

42条2項でないなら「通せんぼ」


お隣との争いから「私有地につき立ち入り禁止」にしました。

お隣から妨害行為排除の訴訟を起こされました。42条2項道路だから、隣に前述の権利が生じてしまうのです。 

そこで「ここは42条2項道路の要件を満たしていなかった」つまり昭和20年代の法適用前には建築物が立ち並んでおらず42条2項道路とはならないと主張しました。そもそも42条2項道路でないなら、お隣に権利はありませんので通行妨害ができます。

しかし通行妨害をした土地所有者本人が自宅建築する際に、42条2項道路だとして自宅の建築確認をとっていた事実が判明し、最高裁はそんな身勝手な主張は認めないとしたのです。

(最高裁平成18年3月23日)

なおこのケースでの高裁判決では土地所有者の「42条2項道路でない」という主張を認めています。もしも自宅の建築確認という事実がなければ結果はどうなっていたか分かりません。

今は高級住宅地でも昭和20年代は畑の中の一軒家。そんなところでは42条2項道路だと思っていたものが、突然にひっくり返る可能性もあるのです。





 

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