購入物件は値下がりでも譲渡税…買換特例適用なら


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譲渡税

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購入物件は値下がりでも譲渡税…買換特例適用なら


2007年4月23日 第638号

20年前のバブル期に2億円で買った土地があります。この土地を1億円で売却します。譲渡税は幾らになるでしょうか。

答えは「分からない」です。


譲渡所得は収入金額と取得費(原価)の差額です。(仲介料等の譲渡費用と特別控除は省略。)

収入金額は確かに1億円です。取得費が購入価格の2億円であれば差し引いてマイナスですから、譲渡税は生じないはずです。

しかし購入価格が税務上の取得費と同じとは限りません。だから「分からない」のです。

20年前に2億円で購入した土地を1億円で売却しても、譲渡税がかかるケースがかなりあります。それは購入時に買換特例を適用したケースです。


50年前に2000万円で購入した土地を20年前に2億円で売却し、税務上の買換資産として2億円で購入した土地に買換えました。この土地を1億円で売却します。

この土地の20年前の購入価格は確かに2億円です。でも税務上の取得費は2000万円なのです。

その土地を1億円で売却するのですから、譲渡所得は収入金額1億円と取得費2000万円との差額の8000万円であり、これに対して譲渡税が課されるのです。

買換資産でなかった場合に限って取得費は2億円なのです。つまり、過去での買換特例の適用の有無が分からなければ、譲渡税は「分からない」のです。

さて、20年前に買換特例を使わなければ、その時に譲渡税が課されたはずでした。

しかし買換特例(事業用資産の買換特例・居住用財産の買換特例・収用の代替資産等)を適用したことで当時の譲渡税は課されなかったものの、その代わりに当時売却の資産の取得費がその買換資産に引き継がれているのです。

前の例なら20年前に買換した際に、50年前の取得費2000万円が買換資産に引き継がれたのです。買換資産は実際に2億円で購入したにもかかわらず、税務上の取得費は2000万円なのです。

なお親が買換特例を使った資産を子が相続後に売却した場合でも全く同じです。

注意すべき物件は


20年も経てば記憶にないことがほとんどでしょう。

売買契約書は残っていても、過去の確定申告書はなくなっていることが多いはずです。

(1)バブル期の億円単位の購入物件は注意(もちろん1億円未満でも可能性はあります)

(2)当時に都心部から郊外へ引っ越しての自宅は注意

(3)郊外や地方都市の賃貸アパートであり、当時に3都市圏で何らかの不動産を売却しているのであれば注意

(4)当時に何らかの不動産について収用等されていれば注意


買ったときの前後の事情を確認することが大切です。

当時の事業用資産買換特例は3大都市圏の既成市街地等(首都圏なら23区等と横浜川崎等の一部)の内から外への買換が主でした。23区内等で売却すると郊外や地方都市でアパート等を探しました。そのため(3)のような場合は注意なのです。

居住用と収用に地域制限はありませんでしたが、居住用であれば都心で地上げされれば近郊区部や郊外に、区部で売却すれば郊外へと買換えるケースが多かったので(2)は注意なのです。

「借金で買ったアパート」だからといって、買換特例を適用していないとは限りません。節税目的で買換特例適用しても借金で購入したケースがあります。

税務署には分かっている


「昔の事は税務署も分からないからバレない」は間違えです。

税務署では当時の買換申告内容をオンライン等で確認できる体制になっています。気づかずに申告すれば、ほぼ確実に修正申告を求められます。


少しでも心配なら、迷わずに事前に税務署に出向くことです。

本人が名前(相続のときは説明を)と物件名を示せば買換特例を使っているかを調べてくれます。該当すれば引き継がれた取得費も教えてくれます。




 

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