新聞報道「同族会社株の相続減税」となるとどうなるか


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相続税

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新聞報道「同族会社株の相続減税」となるとどうなるか


2007年6月25日 第646号

2007年6月12日の日経新聞は「同族会社株の相続減税」の一面記事。同族会社の相続税は大減税となるかもしれません。

日本の事業承継税制


昭和50年代までの事業承継についての相続税優遇税制は農業に対してだけでした。

都市部での宅地転用可能な農地の価格は高騰しましたが、農業の収益性は低いままです。

そこで農地については農業としての収益力の見合う価格「農業投資価格」(いわば農業での収益還元価格)についてだけ相続税課税し、宅地見込み地としての「時価(路線価評価)」との差額については、農業承継し20年間営農すれば免除としました。

ある県の畑について国税庁の定める農業投資価格は10アール当たり53万円。坪1749円です。

その農地が宅地見込み地として時価坪10万円でも、後継者が農業承継すれば坪1749円に対する相続税だけで済みます。差額の9万8251円に対する相続税は20年間営農すれば免除です。

その後の改正により3大都市圏の市街化区域農地については20年でなく終生営農という厳しい免除条件になっています。

「なんで農家だけ優遇されるのか」…昭和50年代後半に中小企業の声が上がります。中小企業の収益も農業同様に土地価格とは比例しません。しかし小規模同族会社の株式評価は、収益力と無関係に所有資産の時価がいくらかという純資産価格方式で評価され相続税課税されました。工場用地は収益力に関わらず路線価で評価されました。

昭和58年税制改正で小規模同族会社の株式評価について、この純資産価格方式だけでなく、類似業種比準と呼ばれる業種や収益力等による評価方式も織り込むという改正となりました。

個人事業主については事業用の土地200uまでについて4割引とする小規模宅地評価減制度も始まりました。

その後の土地バブルを背景に個人事業主の小規模宅地評価減は、200u4割引が400u8割引にまで拡充されます。同族会社の株式については最大で1割、金額で1億円を減額するという制度もここ数年で設けられました。

減額幅はわずか1割だけです。ないよりはいいですが、中小企業での重税感は続いています。

農業後継者に対して多額の相続税を課すれば農地が失われ農業が継続できません。だから農業後継者に宅地としての相続税は免除します。

考えてみれば中小企業もそれは同じです。企業後継者が地価や株価評価の高さゆえに、相続税で借金まみれになります。

それに、宅地見込み地の農地なら売れますが、中小企業の株式は簡単に売れません。

新聞記事の意味するところは、中小企業については、農業のような免除税制ではないものの、1割引しかできない株式評価を8割以上減額して相続税を大幅安にし、中小企業の事業承継を容易にすることのようです。

なお事業とは関係のない財産管理会社や投資目的会社は対象外とあります。株式持合いや、持ち株会社はどうなるのか、ビル所有会社はどうなるのか…。

微妙な差が生じ、資産の所有形態次第で相続税に大きな差が生じるでしょう。土地は会社所有が有利か、個人が有利か…。

この減税が成立すればこれまで以上に相続プロが活躍します。


遺留分等の扱い


相続人が何人もいるのに相続財産はその会社の株式だけ。会社の株式が後継者以外の相続人に分散して、会社経営に支障が出るケースは数多くあります。

記事によれば、後継者に事業資産を集中継承できる仕組みや遺留分放棄手続きの簡略化、事業資産限定の遺留分放棄容認との新制度も設けられるようです。


来年の通常国会での議員立法とのことです。議員立法は法律の整合性に問題が残ることもあるのですが、思い切った制度改正になることが多いようですから、法改正となれば相続事業承継対策は大きく変わるでしょう。




 

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