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不動産ファンドや不動産運用会社にも証券取引等監視委員会


2007年7月16日 第649号

証券取引等監視委員会


不動産業界は国土交通省のもとで伸び伸び経営していました。不動産特定共同事業法ができたときは面倒になったなとも思いましたが、今考えればとても自由でおおらかな法律でした。

2007年9月に金融商品取引法が施行です。現物不動産は対象外ですが信託受益権・匿名組合出資はこの規制対象です。不動産ファンドで受益権や匿名組合に関係しないところはないでしょうから、不動産ファンドを扱えば金融商品取引法の業者規制下に入り、業者登録となります。

6月25日の日本経済新聞は「証券監視委 全ファンドを検査対象に」という記事。「証券取引等監視委員会は投資家から出資を募るファンドの運用業者すべてを9月から検査対象にする方針だ。特に一般投資家が出資するファンドには、リスク管理や出資勧誘の仕方など包括的に検査し、投資家保護に反する行為の有無を点検。違反なら金融庁に処分を勧告する。」


金融機関なら金融庁の検査を知っていますが、不動産業界からのファンドビジネス参入なら未体験です。

証券取引等監視委員会は「証券取引等の公正を図り、証券市場等に対する投資家の信頼を保持することを使命(委員会パンフレット)」とする金融庁の審議会で、犯則事件の調査告発を行います。 委員会HPに多くの勧告例が公開されています。

ここの委員長は元検事です。監督することが目的でなく摘発することが目的なのです。国交省が宅建業者を監督するのとはわけが違います。

ある投資顧問の勧告事例


6月29日にある証券投資顧問へ勧告がされました。確実に利益がでるはずの新規公開株について投資顧問本体に割り当てられたものは、その運用する多くのファンドに公平配分するという内部方針をもっていましたが、そのことを次第に忘れ特定のファンドに重点配分しました。

それをもって勧告されました。会社内部での資産配分をどうするかの内部方針の扱いです。それをもって忠実義務違反として、委員会は金融庁長官あてに行政処分するように勧告したのです。

確実に儲かる物件をどのファンドにあてはめるか、グループ会社所有物件のファンドへの恣意的組み入れ、ファンド顧客情報の親会社流用、親会社社長がファンド運用会社に介入…勧告されそうなネタは色々あります。

6月25日にはA4版147ページに及ぶ「金融商品取引業者等検査マニュアル(案)」が公開されています。関係者はじっくり読まないといけません。


不動産投資スキームの対応


さて個別の不動産投資スキームも変わりそうです。ファンド運営に関連し金融商品取引法は投資運用業者又は投資助言代理業者の登録制度を設けています。

不用意にSPCを立ち上げて、匿名組合出資で多くの人から資金を集めて投資運用すると、そのSPC自体に業者登録を求められることもあります。投資運用業者登録なら最低資本金規制もあり、SPCそのものが当局の検査対象です。

まだ、そのことを知っていればいいのですが、無知のままSPCが走ってしまえば無登録営業で3年以下の懲役です。親会社は内部管理体制も問われて厳しい勧告でしょう。


金融商品取引法を意識し、少人数私募や資産流動化法スキームにしたりと、注意深く仕組みを作っていかないといけません。

なおSPCへの匿名組合出資を募るにも登録は必要です。SPCが自己募集すればいいのですが、通常なら人もいないSPCにそんなことは困難でしょう。また信託受益権売買は、みなし有価証券の売買です。

当面は専門の弁護士会計士やコンサルは必須でしょう。自社だけでのスキームつくりはかなり危険のようです。

こんなに厳しくて怖くてややこしいのなら撤退するという意思決定もあるでしょう。

REITが買いづらい物件…証券取引等監視委員会の勧告(2006年7月24日 第602号)






 

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