トピックス20010822

競売物件の落札価格は高いか低いか・間違えた指導に対しては延滞税も免除・DIPファイナンスへの期待



競売物件の落札価格は高いか低いか・間違えた指導に対しては延滞税も免除・DIPファイナンスへの期待


バードレポート・トピックス版 2001.8.22.

競売物件の落札価格は高いか低いか

東京地裁の競売物件閲覧コーナーはいつも混雑しています。そこには不動産のプロばかりではなく「普通の人」らしき人も数多く見受けます。

東京地裁では競売の新規事案についての売却率が2001年4月には85%にもなったといいます。つまり15%しか売れ残らないということです。また1999年2000年中旬までに競落された7300件を統計すると、最低競落価格の平均25%増しで競落されているといいます。本来の価格を100とすると、最低競落価格は70に設定されます。その25%増しと言うことは87.5、約90です。つまり本来の価格の9割で売れているということです。(不動産鑑定2001年8月号)

これを高いと見るか、安いと見るか。権利関係調整や物件の用途変更等の仕組みなしでは、以前のように、単純に大きく儲けることはできない数字におもえますが。

もっとも週刊住宅2001.8.2号の競売物件開札トピックスによると最低競売価格の3倍近くで応札があるなど、低グロス収益型不動産の個人による入札が活発化しているとのことです。物件の二極化はここでも進んでいるようです。

政府が不良債権の最終処理をすすめるのであれば、まだまだ競売物件は増えるはずです。

間違えた指導に対しては延滞税も免除

税務職員による誤指導等により修正申告を余儀なくされた場合の延滞税を免除するとの扱いが国税庁より公表されました。(税務通信2001.7.30号)

「誤指導等事実確認書兼延滞税免除決議書」なる長い名前の書式がこれからは税務署に置かれます。

税務署担当者が納税者に誤指導をし、その結果として、納税者が間違った申告をし、後でそれが指摘されて修正申告となったときには、この書類が税務署内部で決済されて納税者の延滞税が免除される、ということになります。

修正申告による増加税額には、本税のほかに、罰金相当の過小申告加算税、利息相当の延滞税(原則年14.6%)とがあります。過少申告加算税は理由があれば許してもいただけるようですが、後者はそうはいきませんでした。それが免除いただけるという、当然といえば当然の制度ができたということです。

Bird発行人は滞納なさった方の納税のお手伝いもしていました。「本税は払うけど、こんな事情だから、あとは負けて下さいよ。」とお願いします。固定資産税など地方税は「仕方がないですね。本税を払ってくれれば延滞税は免除しますよ。」と言ってくれることがあります。しかし所得税や法人税等の国の税金は厳しくて、いつも苦労しました。

DIP(ディップ)ファイナンスへの期待


「アメリカでは債務者が再建型手続(いわゆるチャプター・イレブン)にはいると、手続前の債務は自動的に凍結されるため、その債権者は手続前の債務者とは別の「無借金」債務者になり、しかもそうした債務者に対する与信は一定の条件のもとでは超優先性(super priority)が認められて、日本でいう共益債権よりさらに優先性の高い地位を与えられる(場合により担保もとってよい)ので、こうした与信を行なう金融機関は少なからず存する。何よりも既存取引金融機関が、相当の利率で真っ先にそうした与信(defensive DIP financing)を行なう。そうしなければ第三者によってそうした与信がなされて、債務者を監視する機会や収益を挽回する機会を喪失するだけのことだからである。」(NBL2001.8.1号での田作朋雄氏の巻頭言より)

民事再生法等で再建を目指す中小企業にとっての大きな壁のひとつに、その後の銀行取引があります。民事再生申請と同時にそれまでのメインバンクすらも資金をだしてくれなくなるのが普通です。以前からの融資とは違って、その後の融資は共益債権となりますので本来は安心な融資なのです。しかし、金融機関は貸してくれません。この記事を読むと「アメリカはいいな…」、と思わず愚痴もでてしまいます。日本でも商工中金等の公的金融機関がこのような融資(「DIPファイナンス」といいます)を制度的には始めているようです。

民事再生法下の企業(フットワークエクスプレス)に対してメインバンクでない金融機関が運転資金20億円供与という実例について、「銀行法務21」2001.8月号の「富士銀行のDIPファイナンス実行事例」という記事があります。破綻大企業ばかりでなく破綻中小企業にも資金供与いただけるといいのですが。



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