借地権相続税評価・更地物納。・経団連のエゴ/トピックス版 2001.9.26.
バードレポート・トピックス版 2001.9.26.
堅固建物か非堅固建物か…借地権の相続税評価額借地契約には堅固建物の建築が可能なものとそうでないものとがあります。可能でなければ鉄筋コンクリート造のビルは建ちません。そして両者の間に価値の差が生じるのは当然です。
税務署の路線価図には借地権割合が示されていますが、そこには堅固建物の建築が可能か否かについての差はありません。「条件変更承諾料」として更地価格の1割程度を地主さんに払わなくては堅固建物の建築は不可ですから、その差はあってしかるべきなのですが。だからある方が、その「条件変更承諾料」分を債務控除とするように税務署と争いました。
平成13年4月に国税不服審判所の審判がありました。「借地権上の建物が木造2階建てであるか、鉄筋コンクリート造ビルであるかを問わず、借地権割合が適用される。」として納税者の負けとしました。(納税通信2001.9.17号) 現場での相場感覚と税務署の間隔とのギャップは大きいようです。
貸宅地に比べて更地の物納は苦労する。更地の物納条件が厳しくなっています。貸宅地は借地人が現に利用しているからとのことでそれほど厳しくはないのですが、更地は収納後に民間に払い下げますので、その後のクレームを恐れてかマニュアル通りでとても厳しくなっています。具体的には近隣境界査定・接道条件・埋設物の扱いといったあたりが注意です。借地契約改訂をクリアできさえすれば貸宅地の物納のほうがずっとずっと楽です(バードレポート2001.8.27号参照下さい)。
経団連のエゴでつぶされる中小企業債権放棄のガイドラインが全国銀行協会と経団連とで定められました(内容はバードレポート2001.9.24号参照下さい)。債権放棄のルールを一般化して、金融機関が債権放棄を行いやすくするため、というのがスタートだったはずです。しかし、今回のガイドラインは余りに厳しいものとなりました。
例えば民事再生法は経営者退任まで求めませんが、このガイドラインはそれを求めます。法的整理以上に厳しいのです。大企業なら経営者の差し替えは簡単でしょうが、中小企業はその経営者がいなくなれば会社はつぶれます。その経営者がいるからこそ成り立っているのがほとんどの中小企業です。その他にも厳しい制約ばかりです。安易な債権放棄が望ましいとは思いませんがあまりに厳しい内容です。全国銀行協会は緩やかな内容を望んだようですが、経団連が厳しい内容で押し切ったようです。
2001.9.18の日経新聞に経団連幹部の談話がのっています。「われわれは(二度目どころか)一度目の債権放棄でも、ほとんどできないような厳しい内容にしたつもりだ。」
厳しい内容にして実質的に使えないものにしたのです。自分たちは健全だしライバル不振企業が債権放棄でゾンビのように生き返るのはいやだ、というのです。大企業はそれでも結構ですが、このガイドラインのために金融機関は中堅中小企業に対し必要以上に厳しい対応を取らざるを得なくなります。つまり経団連のエゴの結果により、救われたかもしれない多くの中堅中小企業がつぶされその従業員が失業します。多くの中小企業は民事再生法等の法的整理までもたどりつけません。ただつぶれるだけです。
今年4月に会社分割税制がスタートしました。これは経団連と旧大蔵省主税局による大企業のための税制でした。今回同様に、中小企業のことなど考えていません。錦の御旗は国際競争力の確保でした。
この税制で5対1の比率を定めたところがあります。そうしないと進行中の超大企業の企業再編がダメになるという理由で5対1にしたとか。グループ再編後事業に大きく変化がなければ繰越欠損金が使えるようにしたのは、持ち株会社方式のある大手銀行グループ(みずほさん?)の再編のためだとか。そうでないと別の合併方式の大手銀行グループ(三井住友さん?)と不均衡になるからだといいます。経団連の担当者が、自慢気に、大手町の経団連会館で200人以上を前にして堂々と明言していました。特定個別の企業救済のために法律を誘導したというのです。
国際競争力確保それ自体に異論はありませが、中小企業はどうなるのでしょうか。中小企業だって生きていくための要望があります。中小企業の多い商工会議所等はいった何をしていたのでしょうかね。
Bird発行人は中小企業再生のお手伝いをしていることが多いのですが、こんな経団連の姿を見る度に情けなくなってしまいます。
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