不動産は「普通の財」へ・人口減少社会/トピックス|トピックス20030821
不動産は「普通の財」へ・人口減少社会/トピックス
バードレポート・トピックス版2003.8.21.
- 日本の不動産の変遷。不動産は「普通の財」へ。
- 「サライ時代」は終焉。シニアマーケットは変貌。
- 人口減少社会での日本はルネサンス実現できるか
日本の不動産の変遷。不動産は「普通の財」へ。 三井不動産の岩沙弘道社長へのインタビュー記事です。不動産はどう変ってきているのでしょうか。
「これまで、不動産はきわめて特殊で有利な財でした。持っているだけでキャピタルゲインを得られる。企業は含み益を増大させ、担保として資金調達に利用できた。われわれの業界も、まずいい不動産の目利きをして、借金をしてリスクを負って保有し、それをオフィスや商業施設や住宅として開発し、エンドユーザーからの収益と、不動産保有のキャピタルゲイン、二重の利益を得てきた。」
「ところが、バブル崩壊とボーダーレスな市場経済化によって、国を挙げて構造改革に取り組まなければならないほど、経済の仕組み、パラダイムが変換してしまった。特殊な財であった不動産は、保有しているだけではリスクをもたらしかねない、普通の財に変わってしまったわけです。」
「今まで培った知恵とノウハウを総動員し、さまざまなタイプのプロジェクトで利用価値を創造していく。その新しいビジネスモデルをひと言でいえば、不動産の高度な仲介ビジネス、あるいはノンアセット・ビジネス。」
不動産を所有して続けてきた方にとっては大変苦しい時代環境です。一方で不動産を所有しないで不動産周辺ビジネスを進めている方にとって、現在ほど面白い時代はないのではないでしょうか。
物件の収益を増やすことで物件価値をアップさせ、また物件を証券化することで他人の金でビジネスを進め主導権を握り、権利関係の調整まで行えばそこで大きな価値を生みます。法人相手の仲介業務は絶好調のようです。(週刊ダイヤモンド2003.7.19.)
「サライ時代」は終焉。シニアマーケットは変貌。 老舗シニア雑誌「サライ」を育て上げた小学館編集長の岩本敏氏へのインタビュー記事。
「1989年に創刊した当初はバブルの真っ最中。『どうやって年をとっていきたいか』という単純な発想で始め、世の中の豊かさと自分自身が求めた豊かさがうまく連動して、読者をひきつけてきた。」
「これから10年先は悲惨なことになると思う。資金的な蓄えがある人と、ない人との間にはうんと差ができ、年金や保険料などを考えると、老後に対する不安感は増すばかり。つまりサライが提供してきた趣味や遊びの情報だけでは読者は満足しない。」
そんな時代にはリアルなマネー系情報や生活情報に注目が集まり「サライの時代」は終わるだろう、そしてシニア向け雑誌も「シニア」でくくるのではなく「60-64歳」「65-70歳」と読者を絞り込む必要があるだろう、シニア読者は自然や田舎の情報より都会の情報を求めている気がする、と語っています。
(日経流通2003.8.5.)
人口減少社会での日本はルネサンス実現できるか 日本は人口減少しますが悲観することはないようです。人口減少社会でも官僚主義を排せばルネサンスが実現できるようです。
「世界の歴史を顧みると、人口が減少する間に経済と文化が発展した例は少なくない。典型的なのは15世紀のイタリアだ。
イタリアには、1340年に930万人の人口があったが、1500年には550万人になっていたという。160年間に約4割も減少したのである。だが、その間にこそあのルネサンスの文化が花開いたのだ。
それも不思議ではない。人口が減少すると、人々は生産性の低い土地を捨てて生産性の高い都市や沃地に集まった。当然、一人当たりの生産量は増え、食費の比重(エンゲル係数)は低下した。これで生じた社会的余裕でヴェネチアやフィレンツェの工芸品に対する需要が増え、祭りも盛んになり、教会への寄付も増えた。これがやがてラファエロやミケランジェロが絵筆を揮う機会を与えたのである。
その一方で、生産性の低い土地の地主(封建諸侯)は、収入と支配下の領民を失って没落した。この時期のイタリアの幸運は、封建諸侯に農民の流出を止めるだけの力がなかったことである。
人口の減少を経済と文化の繁栄に繋ぐためには、生産性の高い分野に労働力が移る自由を保ち、よりよい生産方法を採り入れる競争を促すことだ。
つまり、労働と資本と土地の移動が、自由に迅速に安価安全に行える体制を築き、あらゆる分野への新規参入とあらゆる業種での新手法の適用を認め、奨励する雰囲気を盛り上げることだ。」
(2003.1.6.日経「経済教室」・堺屋太一氏)
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