未公開株と年金基金・会社更生の報酬・保険会社の懐事情/トピックス
バードレポート・トピックス版2004.9.2. - 未公開株投資した年金基金…損は年金受給者負担
- 大型の会社更生事件のFA報酬
- 訳が分からぬ保険会社の懐(ふところ)事情
未公開株投資した年金基金…損は年金受給者負担 米国コネチカット州の州職員向け年金基金は未公開株ファンドに2億ドル投資し1億2000万ドルの損失を被りました。州はファンドの運用元を訴えました。米国でも前例のない民事訴訟です。
投資先の未公開会社が経営陣による企業買収(MBO)をするとうたっていたのに実行されない等を問題視して訴訟に持ち込みました。
同州上級裁判所は、ファンドの契約違反と忠実義務違反は認めたものの、賠償額はゼロと判じます。賠償が認められないのですから実質州側の負けです。
この損失は年金受給者の負担となります。
(日経金融新聞2004.8.16.)
日本でも外債投資に失敗して破綻した共済がありました。また多くの生保破綻はバブル時の投資失敗が大きな原因です。
日本でも未公開株投資ブームです。低金利下で年金資金は投資先を探すのに苦しんでいます。年金資金の運用が自由化されつつあり、日本でも何が起こってもおかしくない状況に向かっています。
大型の会社更生事件のFA報酬 大手企業の会社更生手続きになると管財人の他に外資系等の証券会社がFA(ファイナンシャル・アドバイザー)として指名されて、このFAによってスポンサーや買収先等との調整が行われることが普通になりました。そして何億円にもなる多額の報酬に驚くことしばしばです。
このFAの業務内容と報酬について日興シティグループ証券の担当者が法律家向けの冊子で解説します。FAの果たす最も重要な役割は「スポンサーを選定する過程で有効な競争条件を作り出すこと」だといいます。要するに外部のスポンサーにどれだけ多額の資金を出させるかがポイントになるようです。
FAを使わなかった場合に比べて、FAを使った場合の方が価値が増えるはずで、その増えた価値に対して何%という金額がFAの報酬になります。
そして価値が増えたとは、「債権者への弁済額がどれだけ増えたか」が優先順位が高く数値化しやすい指標ということです。
できる限り多額の弁済をするために高額を支払えるスポンサーを探してくることとなります。
中小オーナー企業の再生をお手伝いしていると、どれだけ多額の債務免除を受けたのかが、価値となることも多いようです。片や多く弁済することに価値有り、片や少なく弁済することに価値有り、となります。難しいものです。
(NBL2004.8.15.号)
訳が分からぬ保険会社の懐(ふところ)事情 変額年金専門の三井住友海上シティ生命は117億円の増資をして増資後資本金283億円になります。
増資の理由は変額年金が売れすぎて資金繰りに窮したことです。一時払100万円の変額年金を銀行に販売してもらうと、3-5万円の販売手数料を保険会社は銀行に払います。契約者からはこの後ずっと手数料を受け取りますが、契約時手数料はありません。保険料は預かり投資金ですので手をつけられません。
つまり年金販売時の保険会社は手数料を銀行に払うだけで持ち出しなのです。保険会社では変額年金が売れれば売れるほど当座の支払いが増えるのです。
仕方がないから親会社からの増資でまかないます。変額年金専業のハートフォード生命も定期的な増資を迫られているようです。
(日経新聞2004.8.27.)
生命保険大手各社は逆ザヤ価格変動リスクに対応するために基金や準備金の積立を進めます。内部留保の拡大を目指しています。困ったことはこれら準備金の積立等は税務上の損金にはなりません。
多額の積立をすれば苦しくなるのですが、赤字決算にはできません。マスコミによりすぐに「危ない保険会社」にされてしまいますから。だから逆ザヤで苦しくても精一杯の利益計上の決算にします。
任意の準備金積立は税務上の損金になりません。課税利益はその積立分が利益に更に上乗せです。
だから法人所得ランキングでは、逆ザヤで苦しいはずの大手生保が上位に並び法人税を払います。
1位トヨタ自動車・3位日本生命・29位第一生命・75位明治安田生命・165位住友生命。
(日経ビジネス2004.8.30)
保険がたくさん売れれば資金繰りが苦しくなり、苦しいから積立するために法人税をたくさん払う。生命保険会社の決算はよく分かりません。
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