売買流れ仲介料・遺産整理業務・生損保信託代理店業務/トピックス
バードレポート・トピックス版2005.2.3.
- 売買が流れて仲介手数料の支払いは
- 銀行と信託銀行とでの遺産整理業務
- 生損保による信託代理店業務は先送り
- 不動産デリバティブが英国で始まる
- 不動産が値下がりすると儲かる一般向け商品
売買が流れて仲介手数料の支払いは
東海観光は銀座等のビル3棟を120億円購入しようとしました。物件を信託して受益権担保のローンを調達しようとしました。しかし敷地の一部は借地。借地上建物を信託するには地主の許可が必要です。
その許可が取れません。東海観光は売買契約の締結後に地主から許可を断られます。そのため資金調達できず、手付金は買主に没収されました。
そしてこの流れた取引について、不動産仲介の三菱信託銀行は、東海観光に対し仲介手数料の支払いを求め提訴します。「自分はちゃんと仲介した。資金調達ができなかったのはあんたが原因。だから仲介料払え。」です。一方で、東海観光は三菱信託に対して仲介業者としての債務不履行の反訴をします。
東京地裁は2004年3月に2億8000万円の支払いを認め、東海観光が控訴。これが和解となりその半額の1億4000万円を東海観光が支払うということで決着です。(日経不動産マーケット情報2005.2.)
銀行と信託銀行とでの遺産整理業務
日経金融新聞2005.1.27.ではUFJ信託銀行担当者への遺産整理業務についてのインタビュー記事。
――なぜ遺産整理業務に力をいれるのですか。
「早く収益に結びつくからです。遺言信託は遺言が執行されるまで手数料収入はわずかですが、遺産整理は3ケ月から半年で手続きが終わり、結果が早く出せます。」
UFJ信託銀行の遺産整理業務は急増です。その理由はUFJ銀行と連携して、銀行顧客が亡くなるとその家族にこの業務を紹介しています。これが全体の3-4割にまで膨らんだということです。
年間に亡くなるのは100万人。うち6-7万人が公正証書遺言を書いているとのことです。一方で遺産整理の受託件数は大手信託6行で1200件あまり。まだまだ開拓余地のあるマーケットのようです。
「昨年末に信託業法が改正され、信託銀行以外でも資産関連業務の取扱いが認められました。UFJ銀行は従来、顧客を当行の遺産関連業務を紹介することしかできませんでしたが、法改正で一層の顧客拡大が期待できます。」
信託業法改正により、銀行と信託銀行とは競合と提携をしながらその業務を広げます。
生損保による信託代理店業務は先送り
信託業法改正で生損保各社も信託代理店業務が解禁されるはずでした。しかし保険会社本体が代理店を行うための改正が見送られ、保険業界は新規参入ができなくなりました。
保険商品の銀行窓口販売全面解禁が保険業界による反対により先送りされていることが原因ではないかといわれています。信託銀行の遺言信託や遺産整理といった本業の保険とつながりの深い業務を代理店として手掛けるにはまだ時間がかかるようです。
(日本経済新聞2005.1.29.)
不動産デリバティブが英国で始まる
英国では世界初の不動産デリバティブ(金融派生商品)取引が始まりました。不動産運用成果指標値とロンドン銀行間取引金利とを交換する取引です。
実行したのは生命保険会社と不動産会社です。
生保は運用利回り悪化を懸念し、運用利回りが下がっても一定の金利が確保できます。一方、不動産会社は堅調な不動産市況が続くと見込んでおり、運用利回りが一定を上回れば収益を積み増せます。
不動産を保有している場合には価格変動リスクを軽減でき、印紙税や仲介手数料がかかる不動産を保有しなくても、不動産価格の変動を狙って低コストで投資できます。不動産の値下がりでも儲けることが可能です。(日経金融新聞2005.1.25.)
不動産が値下がりすると儲かる一般向け商品
株式投資は値下がりしても儲けることが可能です。信用取引でなくとも、カバードワラントと呼ばれる金融派生商品がネット証券を中心に売買できます。
株が値下がりすれば値上がりするというこの商品のプット型は、数千円から買うことができます。
ゴールドマンサックスはこのカバードワラントの対象を株式からREIT(不動産投資信託)に広げます。つまりREITが値下がりすれば儲かるカバードワラントが販売です。一口は約5000円から。
対象は不動産ではなくREIT。それでも不動産が値下がりで儲けられる一般向けの小口投資商品ができあがりました。(日経金融新聞2005.1.27.)
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