大減税?・10年間固定賃料一括借り上げ/トピックス版
バードレポート・トピックス版2008.1.31.
- 税制改正法が国会通過しなければ大減税?
- 税制改正法が国会通過しなければ大増税?
- 10年間固定賃料のアパート一括借り上げ
税制改正法が国会通過しなければ大減税? 「第61条の4 法人が平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に開始する各事業年度において支出する交際費等の額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。」
租税特別措置法です。この法律により企業が支出する交際費は原則では損金(経費)になりません。
ただし資本金がいくらまでとか、1回に一人5000円までとかで、例外的に損金になっています。原則は損金にならないのです。この法律は2年間の時限立法ですが当然のように2年ごとに延長され続け、延長されるのが当然とされてきました。
さて税制改正法案には、このような期限延長を行う「日切れ法案」も入っていて、まとめて一つの法案として国会に提出され、例年なら3月31日までに衆議院と参議院を通過しました。
さて参議院与野党逆転で、道路特定財源の揮発油(ガソリン)税の暫定税率でもめています。
もしも3月31日までに法案が国会を通過しなかったならどうなるでしょうか。現行では交際費が損金にならないのは3月31日まで開始事業年度までです。
4月1日開始事業年度の大企業での1億円もの豪勢な接待による交際費ももちろん損金になります。
欠損金の繰戻還付(今年度が赤字なら、前年度の利益と相殺して、前年度に払った法人税を還付してもらう)は20年3月31日までは禁じられていますが、延長がなければ4月1日復活です。使途秘匿金への特別に重い課税も適用されなくなります。
日本は法治国家です。法律がなければ課税できません。つまり法案が国会通過しなければ、4月1日の大企業による豪勢な接待交際費は損金になります。
4月2日に法案が国会通過しても4月1日分は確実に損金です。税制改正法案が国会通過しなければ、この点についてはまさに予期せぬ大減税です。
税制改正法が国会通過しなければ大増税? 一方で、中小企業には30万円未満の減価償却資産は一括損金算入が認められています。法律は平成20年3月31日までに買った場合と定めています。
税制改正での期限延長がなければ、4月1日に買ったものは一括損金でなく減価償却することになります。これは大増税です。ただし交際費課税とは違い、納税者が有利になるものは遅れて法案が成立しても、さかのぼって適用されて救済されるでしょう。
土地の売買による所有権移転登記の登録免許税は、登録免許税法で税率1000分の20に定められています。それを租税特別措置法により平成20年3月31日までの間は1000分の10にすると定めます。自民党税制改正大綱では1000分の10を平成21年3月31日まで延長継続することに決めました。
それにもかかわらず、もし税制改正法案が国会を通過しない場合には、法律の通りに4月1日から1000分の20になります。つまり2倍へ増税です。
前述のような減価償却の問題なら、決算後の法人税の申告時期までに法案が国会通過すれば救われるでしょうから、それほど心配はいりません。
しかし登録免許税は実際に法務局に支払ってしまうお金です。一体どうなるのでしょうか。
租税特別措置法には「平成20年3月31日までの間」との規定はたくさんあります。
万一の場合の混乱は半端ではありません。税制改正法案を政争の具とするほどまでに、日本の国会議員がアホでないことを祈ります。
10年間固定賃料のアパート一括借り上げ アパート竣工後の一括借り上げ期間は10年が多かったのですが、20年となり、30年も珍しくなくなってきています。
ただし一括借り上げ期間は30年でも賃料固定期間は2年で、2年ごと見直しが通常でした。
しかしそれが心配でアパート建築に踏み切れない地主さんも多く、各社が10年間賃料固定方式を導入するようになってきました。
パナホーム不動産の一括借り上げは2年ごと賃料改定でしたが、タイル外壁・オール電化・ペット共生・セコムのセキュリティ導入を条件として10年固定タイプを始めました。
従来の2年ごと賃料見直しでの10年借り上げタイプは、実際の賃料の87%〜90%で借り上げていました。10年固定タイプでは85%〜87%です。
旭化成不動産の10年間賃料固定での30年間借り上げタイプも同様に85%〜87%です。
(週刊住宅2008.1.7.藤原利彦氏)
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